算数を読解する『Z会グレードアップ問題集 小学2年 算数 文章題』
概要
豊富なイラストや取り組みやすいレイアウトが “楽勝感” すら漂わせているが、実はちょっとだけハイレベルな問題集。短文・長文・思考型など、さまざまな文章題を演習をすることができる。使用時期
小2・11月頃 ~ 小2・3月 (※一部抜粋使用)良い点
- 長文やミスリードを誘う問題もあり意外と個性派
- 世界観やテーマがあり低学年でも取り組みやすい
悪い点
- 図を書くような問題がなく、式を立てることに偏りがち
- もうちょっと問題が難しかったらより実用的
感想 4点:★★★★☆
「計算・図形」「文章題」の2種類ある『グレードアップ問題集』のうち、こちらは文章から式を立てることに特化した「文章題編」になります。問題ごとに「お化け屋敷」「バレエの発表会」「ミュージカル」といった世界観があり、いかにも低学年向けなアソビ心に溢れた作りをしているのですが、
見開きに渡る長文問題であったり、一見しただけでは足し算か引き算かわからないような言い回しがあったり、教科書レベルよりは一歩踏み込んだ問題集だと思います。
長文問題の例。劇団四季的な世界観。 |
中学受験を前提としていると、決して難しいと思える問題集ではないのですが、文章から得た情報を整理する力だったり、その情報を中継的に使う力であったり、簡単なことから注意力を養うには良問が揃っている印象でした。
適当に読んでいると必ずドコかで間違える |
ウォーミングアップ的な短文問題においても、無駄には解かせないというか、特殊な数え方をする箸の “膳” やバナナの “房”などで構成されていたりと、配慮されたいぶし銀のエッセンスはサスガのZ会です。
ちょくちょくいい感じの事を教えてくれるイーマル |
1年生版の「グレードアップ問題集・文章題」に取り組んだ際は、同じような問題が続き冗長な印象でしたが、この2年生版は問題のバリエーションにも富んでおり、それでいて適度に定着を促す程度の反復はあり、とても良い完成度になっていると感じました。
使ってみて
保護者向けの解説が優しさで溢れており、至る箇所に「解けなくても構いません」「できたら褒めてあげてください」的なコトが綴られ癒やされます。わりとおしゃべりな解説本で、「男の子を意識して体操教室の問題にしてみました。」とか「おてんばアウトレットは御殿場アウトレットがモデルです。」とか、いらん感じのコトが書かれているのも癒やされます。