なぜ早慶の附属中学は女子が少ないのか
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先日、早稲田実業の募集人数が削減されるというニュースがありました。
これまで男子約85名、女子約40名だったものが、男子70名、女子40名になるということで、「男子涙目やん」とか思いつつ、「女子の募集ってそんなに少ないの?」とも思ってしまいました。
調べてみると慶應中等部も男子約140名に対し女子約50名、青山学院中等部は女子の最低合格点が男子に比べ15~30点も高く、早稲田や明治の系列は男子校が多かったりと、有名附属中学には随分と性差があるように感じます。
まず、個人的な意見から申し上げますと、共学であるなら「男女1:1」というのが、原則自然であると思っています。
中学受験で「1:1」にしてしまうと、女子の方が合格点が高くなってしまい、女子が不利になるケースが多いようですが、これは「共学」という環境を維持する以上は仕方なく、むしろ完全な点数勝負にして男女比率に差が出てしまう方が、「共学」というバランスにおいては好ましくないと考えています。
ですから「完全に点数勝負じゃないとフェアではない」とは考えておらず、点数についてはある程度の女子不利は許容もできているのですが、
さすがに「男子約85名、女子約40名」とか「男子約140名に対し女子約50名」とかになってしまうと、娘を子に持つ私としては納得がいきません。
嫌ならそんな学校は受験しなきゃいいだけの話ですが、日本を代表するような大学の附属中学ということであれば話は少々異なるわけです。
どういうことかと調べてみると、我らが教育ジャーナリストの “おおたとしまさ” さんがズバリ教えてくれていました。(ヤフー・ニュースの記事)
なんでも「男女比を同じにすると、男子が女子の勢いにのまれ、萎縮して肩身の狭い思いをしてしまいます。」だそうで、
って なんじゃソレ?
「女子の勢いにのまれ萎縮する」から女子の募集人数を少なくするというのでは、
「女性は活発に発言して困る」から女性理事を減らそうとした森喜朗と同じです。
おおたさん自身も「ジェンターの視点で考えたときに、これは危険な発想」と指摘しているのですが、私にはそんなバカげた理由があるようには思えません。
これをどう捉えるかですが、ぶっちゃけてしまえば、中・高と進んでいくうえで、男子の学力の方が女子より伸びるという現実があるのではないかと思っています。
早慶の付属には大学への推薦という大事な役割がありますから、大学に送り込む生徒に学力差があるわけにはいきません。
女子は追いつかれる、あるいは抜かれてしまうという傾向がある以上、そうした合格にしておかなければ、学力バランスが崩れてしまうという事情もあるのだと思います。
そのように考えると、学力という物差しにおいて、高偏差値帯に男子が多いことが根底の問題にも思えます。
男脳に有利な問題が多いのか、問題の作成者に女子がいないのか、どんな理由があるにせよ、就職に有利な有名大学で性差がついてしまう以上は、女性の社会進出は不利なままですし、それが中学受験から影響してしまうのでは、さすがにちょっと閉ざされた未来を感じます。
東大の女性合格者が21%に到達したと喜ばしくニュースになっていましたが、そんなんではいつまでかかることやら。
あ…でもちょっと待ってください…。
私は妻と娘、3人の女性に囲まれて生活しておりますが、「とても萎縮して肩身の狭い思い」をしておりまして…おおた先生の言ってることはひょっとしてコレでしょうか…。
だとしたら前言全撤回です。「女子の勢いダメ、ゼッタイ。」「なくそう男子の萎縮。」
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女子には小学生からキツい現実。 |
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