各塾の初動対応から見る緊急事態宣言


緊急事態宣言が出されたからには塾は完全にお手上げです。どうしたって休講しかありません。
この対応には塾のカラーが出そうだ。ということで、各塾の一報を私見と偏見でもってまとめてみました。(※現在の情報ではなく、あくまで初報のウォッチです。)

【SAPIX】

業界の雄からの一報は緊急事態準備表明がされた6日。
かなり素早い対応ですが、文面からは火急的でとりあえずな感じが読み取れました。

サピックスのインフォメーション

特に対応については触れられておらず、気遣いのない言葉尻にも、何か投げやりのような違和感を覚えます…

これは…ひょっとして…激おこなのかっ? とか思ってしまったのですが、
サピックスが抱えるのは日本が誇るエリート少年少女団です。対面授業継続に向けた対策を万全を尽くし、コロナに屈するなどというのは本意でないというのがあったのかもしれません。

当初より学校休校対応も、そこまで積極的ではありませんでしたので、最後まで休講はしたくなかったんだろうなぁと、そんなヒネた感情も受けとってしまいました。

【早稲アカ】

同じく6日にお知らせが出た早稲アカですが、以前から4月より双方向ライブ授業がアナウンスされていましたので、こちらはとても落ち着いた印象です。
早稲アカのインフォメーション

安倍総理の準備表明があってからすぐの19時リリースにも関わらず、きちんと詳細ページやPDFが用意されておりましたので、決められたフローにしたがってアナウンスを活性化しただけという手際の良さすら感じてしまいました。

四谷準拠ですので、予習ナビなどの対応も検討されたと思うのですが、あえて「双方向のライブ授業」を打ち出してきたのも、さすがのハチマキ対応です。

一連の対応を見る限りでは、他塾を抜きん出ている気もしますので、実際のライブ授業も期待が持てるのではないかと思います。

【日能研】

一歩遅れて7日にお知らせが出た日能研は、4月24日以降と以前で2段階の対応を取るとのアナウンスがされてました。

日能研のインフォメーション

ちょっと長文な感じもしますが、その分他塾よりは誠意も気遣いも感じられる文面で、3月に通常授業と並行で進められていた動画配信を「さらに充実」させるということも示されておりました。

この動画はワンポイントでイマイチという評判がありましたので、「さらに充実」という言葉には「しっかしとフィードバックされているよ!」との意味合いも込められているのかもしれません。

【四谷大塚】

この塾はちょっと右往左往がありまして、6日にアクセスした時点では下記のようなリリースがされていました。

四谷大塚インフォメーション

すでに緊急事態宣言が確実視されたタイミングでしたので、ちょっとキワキワの決意表明に思えたのですが、やはり速攻で取り下げられることになりまして、再度見た時はこのアナウンスが消されていました。

変わっての掲示は現時点でまだされていないのですが、(※もしかしたら塾生には通知が行ってるかもしれません)(※)
朝日新聞には ↓ のような対応が掲載されており、いまだ検討中ということのようでありました。

四谷大塚、朝日新聞

といっても、四谷大塚は歴史ある予習ナビがそのまま使えるはずですので、すでにバッチリ対応済みであるとも言えると思います。

(※)追記:7日に、IT授業「予習ナビ」「復習ナビ」のでの受講が塾生向けに案内されていたようです。失礼いたしました。

というような感じで、首都圏の大手塾はそれぞれ対応に苦慮している様子が伺えたわけでありますが、
その他に目を向けてみますと、実はこの状況を勝機と捉えたたくましい塾というのも存在しておりまして…

enaインフォメーション

中村専務執行役(元ソニービデオ関連事業責任者)のドヤり顔が浮かぶ見事な対応でございます。

enaの迅速さというのは、信じがたいところから遡ることができまして、最初の一斉休校が決まる前の3月1日には、すでにこんな折り込みチラシも制作していたりもするのです。

ena3月1日
一斉休校の場合を想定したチラシ

主戦場が都立一貫校ということや、オンデマンド動画というのもありますが、
宿題のメール提出や、質問電話も午前中から受け付けるようで、このような未曾有では、やはり2番手・3番手といったところが、思わぬ機動性を発揮するということなのかもしれません。

ということで、最後になりますが、現6年生のお子さんにとっては、本当に思わぬ受難になってしまったかと思います。
ガラリと変わる学習スタイルに戸惑と不安だらけの毎日だと思いますが、今は健康であるということだけでも恵まれているのかもしれません。
ぜひ感染予防につとめていただき、焦らず腐らず乗り切ってもらいたいと思います。

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