言語技術を学ぶ『はじめての論理国語』 小1・小2レベル
概要
数ある出口式小学国語の集大成として出版された『はじめての論理国語』。豊富な解説と例題で、知らず識らずに使っている日本語を正しくシステマチックに定義する。
使用時期
小1レベル:小1・3月頃~小2・9月頃小2レベル:小2・9月頃~小2・10月頃
良い点
- 難しい題材ながら低学年向けなのが良い
- 解説や例題が豊富で、読み物として完成度が高い。
悪い点
- 解くだけなら優しいが理解するには難しい。
- 小2向けが小1向けの内容を完全包括しており、小1向けを買う意味が無い。
感想 2点:★★☆☆☆
日本語というのは多分に感覚的であると思います。本書の内容とは直接関係ありませんが、例えば「地面」は「ち + めん」なのに「じめん」だったり、「世界中」は「せかい + ちゅう」なのに「せかいじゅう」だったり。
聞けば当たり前の話ではありますが、それらにも公布された「現代仮名遣い」でもって、明解に “正解” とその “理由” があるそうなんです。
この本は、そんな曖昧ながらも感覚的に使ってしまっている日本語を、明解に “正解” と “理由” でもって、定義していきましょうよという問題集になります。
技術的に日本語を学ぶ |
内容は極々簡単で、2日もあれば全て解き終わることができると思いますが、その使い方ではこの本はゴミにしかなりません。
また、設問が誘導的で、ほとんどのお子さんが全問正解に近い形で終わると思いますが、ただ正解するだけではなんの意味もありません。
なぜその問題を正解してしまったのか、解説本から根拠を探ることに、この問題集の意味があると思います。
ゆえに、「ある程度国語に慣れ親しんだ子」じゃないと、点と点がつながらない感じもあり、実はとても難しい問題集です。
核となる解説本は完全に保護者向けで、1・2年生の子どもが読んで理解できるようなものではありません。
私には、わからないコトだらけで、自由自在で調べたり、読むだけでも結構大変でしたが、大人でも「なるほど」と思わされることばかりで、日本語を再定義するにはとても良い解説本です。
子どもが1人で読むのは難しい |
正直、低学年にはまだ早いかなと思えましたが、丁寧に取り組むことができれば、身につくことはちゃんと身についており、評価が難しい問題集です。
娘で言うと、これまで感覚に任せていた文章の流れを、接続詞から捉えるようになっていたり、主語がない文章には「主語がない」と言うようになったり、しっかりとした効果を感じることができました。
「2点」と辛口にしておりますが、取り組みかた次第では随分と評価が変わる問題集であり、我が家的には「5点満点」だったりもします。
使ってみて
肝は解説本になりますので、親子で取り組むことが前提になると思います。お子さんによっては、学年が上のものから始めらて良いケースもあると思いますので、立ち読みなどで、一度確認されてみることをオススメしたいと思います。
小1レベルは、正直いらないかもしれません。 |